映画『天空の蜂』を観てから、原作を読みたいと思って、頑張って読みました。
本書の概要と感想を書きだしていきたいと思います。
防衛庁へ納入予定だった最新大型ヘリ「ビッグB」が、「天空の蜂」と名乗るテロリストによって製造元の錦重工業の愛知県小牧市にある格納庫から盗まれる。
犯人から送られてくる予告FAXには、盗んだビッグBには爆弾が搭載されており、福井県に位置する高速増殖原型炉「新陽」上空にホバリングさせるという。
燃料が切れると必然的に「新陽」に墜落することになる。この危険を回避するために犯人は次の事を要求してくる。
国内の原発すべてを使用不能にすること。その作業をテレビで中継すること。ただし、「新陽」だけは止めてはならないというものであった。
さらに不運なことに、ビッグBには同ヘリの設計者の息子が乗っており、子どもの安否と救出が急がれる。
この緊急事態に対応するべく、ビッグBの設計者2名をはじめ、原発関係者、自衛隊幹部、消防隊、警察等が現地に集結し、知恵を出し合う。
一方で、犯人を突き止めるべく地元警察の刑事たちも走り回る。
果たして最悪の危機を避けられるのか。
皮肉なことに、ビッグBと原発の開発に錦重工業という一つの会社が携わっている。
一つの会社が作り出したそれぞれの商品<大型ヘリ>と<原発>が互いに危険因子となっているのである。
本書は1995年に単行本として刊行されているのだが、原発に関する重要な指摘が随所に出てくる。まるで福島原発事故を予期していたかのようである。むしろ、95年時点でこれだけの危険が分かっていたにもかかわらず、私たち市民が問題と向き合ってこられなかったということなのだろうか。
作品中に次のような文章が出てくる。
楽観していられる根拠など、何ひとつないのだ。根拠だと思っているのは、「昨日まで安全だったから、今日も明日も安全だろう」という幻想にすぎない。
原発に関して、安全神話など存在しないのだと思いました。